2年生で不登校からの脱出
前回の話しからせっかくなので
この話もしておこうと思います
2年生の時に 長男は不登校を経験しています
新学期が始まって1ヶ月ぐらい経った4月の終わり頃
「学校に行きたくない」と言い出したのです
理由を聞くけれど とにかく学校に行きたくないの一点張り
最初はたまにはこんな日もあるだろうな
と軽い気持ちで休ませました
すると次の日もまた行きたくないと言います
どうして行きたくないのか聞いても
行きたくないから としか言わない
何を言っても頑なに行かないを繰り返すので
明日はちゃんと行くようにと言い聞かせ
仕方なく休ませることを決めた瞬間
それまでの表情が一転し嬉々としたものに変わります
夜には次の日の準備をして
「明日はちゃんと学校に行く」と普通に寝ます
けれど 朝起きて準備を整え いざ家を出るとなった時
表情が一気に曇り「行きたくない」が始まるのです
結局この行きたくない理由というのは
はっきりコレ!というものはありませんでした
最初話してくれた理由は クラスの友達の
ささいな言動に対するものでしたが
よくよく聞いてみると 別にそれは大したことではないようで
かといって明確な理由は 本人も分からず
ただ学校に行くのがいやだという事だけ はっきりしている
そんな感じでした
行きたくないが始まって1週間ぐらい経った頃には
担任の先生をはじめ学校の対応も動き出し
少しでもいいから登校させてほしいと
クラスに行けないのなら特別学級や保健室図書室などで過ごすなども
大丈夫だと 色んな対応を提案されました
私もこの状況を何とかしたい 学校へ行ってほしい
という気持ちが強かったので 先生と連携して
朝私が車にのせて学校まで連れて行き
先生が車に迎えに来て一緒に教室へ行く
というのをやってみました
でも最初は 車にすら乗らなかったり
車に乗るものの学校に着いても降りなくて
あえなく断念したり 時にはすんなり降りる事ができたり
時には 無理やり車から引きずり出して
先生が抱えて行くという 強硬な手段に出たこともありました
そんな日が続くと 私もだんだん疲れてしまって
今度は夫が仕事の合間に長男の様子を見に帰ってきたり
時には 抱えて学校まで行ったり
周りの大人は とにかく学校に行かせる事に
全力を注いでいました
だけど なかなか学校に行くとはなりませんでした
そりゃそうです 本人は何一つ納得してないし
強硬な手段をとれば 頑なに拒否するのは当たり前
でも 渦中にいる時は 分からないものなんですね
この先学校に行きたくなる日はもう来ないかもしれない
ずっと不登校のままかもしれない
中学も高校もこのまま行けなかったらどうしよう
考えたくなくても 頭の中にはそれしか思い浮かばない
何をやっても どんなに楽しい話しをして
目の前で長男が 笑っていようとも
その事が常に 頭から離れなくて
光の射さない 暗い闇の中を手探りで歩いているような
不安で怖くてやりきれない思いが
ずっと心の中を支配している そんな状態でした
けれど 絶対あきらめたくない気持ちもあったので
絶対に長男をもう一度学校に行かせてみせる
こんな所で終わってたまるか!
ウジウジと悩んでる暇があるなら 動け!と
現状を何とか打破したくて 行動を起こしました
それが 情報収集
不登校に関する 詳しい専門家のサイトや
ブログ 評判の良い書籍などを買い漁っては
ひたすら読みました
たくさんの体験談や事例を見ていると
こんな状況になってるのは 自分だけじゃないんだ
そう思えて 重たかった気持ちが軽くなりました
長男に近い事例や これだと思える打開策を
見出せたときには 光が射す思いがしました
不登校の原因の一つに発達障害の可能性もあることが分かったので
それも調べてみました
今までその疑いを持ったり 指摘された事はありませんでしたが
特徴の中に長男にも当てはまりそうな所があったので
地域の施設へ連絡して 診断してもらいました
結果はグレーな所もありましたが 今の年齢を考えると
個人差があるため 発達障害とは言えないという判断
じゃあ何が原因なんだ。。。
不登校になってしまった 確かな原因が掴めないまま
また 途方に暮れました
けれど それまで読んだり調べてきたことは
私の中にあった 強固な軸を少しずつ柔軟なものに変えていきました
ありのままの長男を受け入れること
明確な理由はないけれど 学校に行きたくないという
譲れない長男の気持ちを 汲み取ること
長男を信じること そして
長男は私にとってかけがえのない
唯一無二の大切な存在であること
私は ごちゃごちゃ言うのをやめました
学校に行きたくないなら 無理に行かなくてもいい
今やれる事を やれる範囲で頑張ればいい
そう思う事にしました
すると 長男が頑なな態度を 取らなくなり
表情も明るくなって 言動の端々に
余裕を感じるようになりました
そうしてるうちに
このままじゃいけないと思っていること
本当は学校に行きたいけどいけないでいるジレンマを抱えている事を
自ら話してくれました
学校に行きたいという長男の本心が聞けたことで
今度は長男がちゃんと納得して 自分の意志で
学校に行けるようにしてあげよう!
そう思えることができました
そこからは まずは学校に行きたくないと言い出す
朝の登校時間の現状打破を考えました
長男と話して その時間帯になると
学校に行く事が嫌になると同時に
不安を感じてしまう事が分かったので
まずはその不安を解消しようと考えました
登校する時間になると 行かなくちゃいけないんだ!
と緊張感を持ってしまうので
登校する時間になっても テレビを見て
ゆったりと過ごすようにしました
皆が学校に登校し終えた頃を見計らって
ゆっくりと車で学校に行き 外には出ず
最初は5分、10分ぐらいの短い間を
学校の敷地内で過ごしてみました
数日して慣れたら 今度は窓やドアを開けて
学校の様子が耳に入ってくるようにしました
先生や生徒のやりとりや 音楽室から聞こえるピアノの音 学校のチャイムの音
学校にいれば日常的に耳にする音を
学校に行かなくてもいいよという前提で 安心して聞かせました
そのうち車の中でじっとしているのに飽きて
自分から少しずつ車の外に出るようになりました
車のまわりをウロウロしたり ちょっと校舎へ近づいてみたり
そしてまたそれが慣れてきた頃に 今度は靴箱までどれぐらい
行けるかゲームをしました 靴箱は教室に近い所にあるので
とても勇気がいります 毎日1歩でも多く進めたらそれでOK
小さな達成感を体験させる事で 自信を持ち自己肯定感を
高めてあげるのが目的でした
長男は年長の時から 空手を習っていたのですが
この空手の練習が 学校の体育館でやっていたため
不登校になってからは 通うのをやめていました
それがこの頃ぐらいから 自ら意欲的に行きだしたのです
放課後なので 生徒はみんな下校していて
先生も教室にはいません
それが良かったのかは分からないですが
朝の様子とは違い すんなり学校の敷地内に入って
軽快な足取りで 体育館に入っていきます
不登校になってから 担任の先生とは
日頃から連絡を取りあっていて
家にも何度か来て 長男の様子を見たり
学校の様子を伝えにきてくれていたのですが
空手に行きだした事を話すと
早速放課後様子を見に来てくれました
最初は先生の問いかけに 返事すらしてませんでしたが
練習ごとに見に来る先生に次第に 少しずつ返事や
短い話しをするようになりました
見た目にも元気で 意欲的に練習をしている様は
誰がどこから見ても 不登校とは無縁な姿で
空手の師範も道場生も担任の先生すらも
学校に行っていないのが信じられない
というぐらい すこぶる元気でした
でもずっと見ていた私は分かってました
これは長男が精一杯葛藤して出した答えなんだなと
学校に行けない分 空手を頑張ることで
ぼく頑張ってるよ!と行動で示したんだと
長男が認めてもらいたいと思ってる気持ちが
凄く伝わってきました
それからは 今度は放課後に少しずつ
朝は入れないでいる靴箱や教室に行ったりしました
すると 学童で残っているクラスの友達と会って
早く学校においでよ みんな待ってるよ!
と次々と 話しかけにきてくれました
教室の外には春に植えたミニトマトの鉢植えがあって
長男の鉢にも実が何個もついていました
先生やみんながいつも水をあげてくれていたのです
あっという間に一緒に過ごしていなかった時間を
うめてしまった子ども達を見て
子どものパワーってすごいなと
改めて思いました
そして放課後の次は まだ誰も登校してこない
開門してすぐの早朝に 教室へ行くことにしました
学校一怖いと子どもたちの中でウワサの先生が
門の前に立っていた時は ビクビクしたりもしてましたが
その先生も 長男の事情は知っていてくれたので
気さくに声をかけてくれ 少しでも笑わそうと
おもしろい事を言いながら 教室に
一緒に入ってくれたりしました
早朝の教室はしんと静まり返っていて
でも放課後とは違う新鮮な空気が漂っていました
担任の先生も長男のために早く学校へきてくれて
教室の展示物を見ながら こういう授業をしたよ
図工でこういうのを作ったよと 説明してくれました
そうこうしているうちに
ある男の子が 一番に登校してきて
長男を見るなり 突然泣き出しました
どうしたのか 分からずにいると
先生が 嬉しくて泣いてるんだよね と
その子はずっと長男が来ないことを
心配してくれていたのでした
それから 続々と登校してくる友だちが増え
あ!長男くんが来てる!と
笑顔で駆け寄ってきてくれました
それでも やっぱり授業を受ける事が最初はできなくて
特別教室へ移動して過ごしてみたりしました
毎日朝早く教室へ行き私と一緒なら授業に出るという長男の意向を
学校側も受け入れてくれ一緒に1時間だけ授業を受けて帰る
次は2時間、3時間と少しずつ伸ばしていきました
それが慣れていった次の段階では
登校する時に下の子を一緒に連れて行き
ホームルームの時間になったら保育園に送らないといけないから
という理由を作って私と離れて一人で教室で過ごす時間を
1時間、2時間と増やしていきました
学校で終日一人で過ごすとことはできないけれど
何とか慣れ始めた矢先に 夏休みに突入しました
夏休みの間も 変わらず空手を頑張り
夏休みの宿題も しっかりやっていました
そして 夏休みが明ける少し前
「お母さん僕、夏休みが終わったらちゃんと学校に行くよ」
と宣言して、その言葉通り夏休み明けから
ちゃんと一人で学校に通うようになりました
そして 次の年の3年生の時には
1日も休まずに学校に行き 皆勤賞をとりました
あの不登校を経験してから4年後
6年生になった現在
長男は空手で優勝をするまでに強くなりました
どんな相手でも決して怯まず最後まで諦めない
たくましい体と精神力を身に付けました
そして自ら中学校受験の道を選び
目標に向かって頑張る事を決意しました
長男が不登校を克服できたのは
・学校と先生との連携
・友だちとの繋がり
・打ち込めるもの(長男の場合は空手)
・子どもを信じること
・本人の自己肯定感と行動力
これが大きかったと思います
思い返せば 長男が小学校にあがってからしばらく
「お母さんと一緒に学校に行きたい」と言っていた時期がありました
なので登校班の集合場所まで一緒に行って
きりのいい地点までついて行ったり 時には
学校に着く最後まで一緒に行く事もありました
けれど 当時下の子は3歳 まだ小さく手がかかっていたし
仕事に行く準備や下の子の仕度それから保育園の送迎と
朝は忙しい時間帯だったため 毎回付き添う事はできませんでした
そしてある時長男が「学校がこわい」と言ったことがありました
小学生に上がったとはいえ まだまだ幼なく
初めての環境で様々な不安があったのだと思います
だけど私は
1年生になったのにこんなに甘えん坊で先が思いやられるな
でもまあ今だけでその内慣れるから大丈夫だろう
と軽く考えていたのです
長男は小学校に上がってからずっと不安を抱えていて
自分の思いを分かって欲しくて一緒について来て欲しい
学校が怖いという言葉でSOSを発していたのに
私は大人の事情と自分のものさしで
それを受け止めてあげられなかった
長男の中で小さな不安が少しずつ蓄積して
いつの間にか大きく抱えきれない程になり
小さな心が決壊した結果
この不登校に繋がってしまった
これがのちに
私が出した長男の不登校の原因です
長男は基本まじめな性格で 曲がった事がきらいです
正義感も強いのでダメなものはダメと
決められたルールを守ろうとします
多くを語らず 自分の気持ちを心に閉じ込めて
表に一切出しません
ガラスのハートを持ち合わせていて
ちょっとした事に傷つきやすく
すぐにあきらめてしまいます
子どもの性格は分かっていたはずなのに
この2年生の不登校がなかったら
どうなっていたのかと思うと
猛省しきりです
私たち親子はこの出来事があったからこそ 今があります
そう思う事ができるのも 長男が日々成長し
子育ての喜びや苦労を私に教えてくれてるからこそ
だと思います
今現在、長男は反抗期途上中
ああ言えばこう言う
反撃してくる口のきき方と言ったらもう~!!
でもまだまだ可愛いところも残っていて
何より長男の一番の理解者でなければと
この事を教訓にしながら
口うるさくならないよう
注意しています(笑)
子育てに正解はないですが
将来どこに出しても恥ずかしくない
立派な大人として皆さんに認めてもらえるよう
この子を育てていかなくてはいけないなと
責任を持って日々奮闘していこうと思っています
ちょっと今回は横道にそれましたが
次は受験の内容に戻りたいと思います
長い文章になりましたが
付き合っていただきありがとうございます^^
では